• 2019.04.11
  • 新着情報

自閉症の診断について💡

こんにちわ!

ころん板橋校です。

4月の割には、寒い日が続いていますね💦

昨日、東京は「平成最後の寒波」と言われる寒さと雨でかなり外出するのが辛い1日となりました。

そんな雨の中ころんにご来談くださったお子さん・お母さま、ありがとうございました

また、4月に入って新しく幼稚園・保育園にご入園されたお子さん。

小学校にご進学されたお子さん。

おめでとうございます!

今年は桜の開花時期も長く、景色が綺麗🌸な春だなという印象です。

さて、今日は少し「自閉症」の診断についての理解を少し、一緒に深めていきましょう。

「自閉症」は「DSM」と「ICD」というものに診断の基準が記載されています。

「DSM」はアメリカ精神医学会が発行している精神疾患の診断マニュアルで「ICD」はWHOが発行して国際疾病分類です。

ころんのブログをご覧になられていると言うことは「発達に遅れのあるお子さんの親御さん」や「お子さんの療育に興味のある方」、「療育の業界で働いている方」等が多いのでしょうか?

「DSM」というのは、アメリカ精神医学会が発行する「精神障がいの診断と統計マニュアル」というマニュアルで2013年の5月に13年ぶりにDSM-4-TRからDSM-5へと診断をするときの基準が変更されました。

DSMが5に変更しされたことに伴いDSM-IV-TRに含まれいていた自閉性障がい、アスペルガー症候群、小児崩壊性障がい、および特定不能の広汎生発達障がいといった診断カテゴリーは、DSM-5では自閉症スペクトラム障害(ASD)という1つの同じ診断カテゴリーに収集されました。加えて、レット症候群については削除がされました(Ferhat Yaylaci・Suha Miral, 2017)。

DSM-5からは自閉症という概念は自閉性障がい・アスペルガー症候群といった別物として捉えられるのではなく、1つの連続体(スペクトラム)として捉えられるようになり、診断名も「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障がい」と「スペクトラム」という名称が入ったものとなっています。

DSMは2013年にアップデートされましたが、ICDも2018年にVersion11へとアップデートされ「自閉症スペクトラム障がいは、相互的な社会的相互作用および社会的コミュニケーションを開始および維持する能力における持続的な欠陥、ならびに一連の制限された、反復的な、そして柔軟性のない行動および興味のパターンによって特徴付けられる」(WHO,2018)と記載されています。自閉症スペクトラム障がいについて、DSM-5と類似した特徴を示した形です。

DSM-5については日本語版が事務所にありますが、著作権の兼ね合いで転載して二次利用するためには許可が必要との為、本ブログでは割愛。

ICDの最新版については、厚生労働省のHPより見ることができます。

※ 参考文献に、URLを添付しておきます。

実は、時代によってそれまでの診断名が無くなったり、診断されていた疾患の名前が変わったりすると言うのは知っておいて損のない知識でしょう。

例えば、先に紹介したFerhat Yaylaci・Suha Miral(2017)の研究ではDSM-IV-TRを使用して診断を受けた3~15歳の150人の子どもと青年に対して、DSM-5の基準を用い再検討がなされました。その結果、DSM-IV-TRを使用してこれらの診断の1つを受けた150人中、29人の被験者(19.3%)はDSM-5基準を使用した場合、自閉症スペクトラム障がいと診断がされなかった。

という、結果でした。

しかし例えば、CDC(2018)は2014年にアメリカの11州からなる記録のレビューから「DSM-IV-TRに基づいて診断された子供たちは、更新されたDSM-5基準を適用しても診断を失うことはなかった」と結論づけていますので、今後の動向が気になるところです。

自分、もしくは子どもの診断名が時代によって変わる。と、言うことは「福祉」という観点からみるとかなり危険なことのように思います。

ころんではスタッフが上手にお子さんと関わる為の技術的な研修も行なっていきますが、上記の様な「自閉症についての基礎教養」についての研修を行なっていきます👀

今後ともキッズアカデミーころんを、どうぞよろしくお願いいたします!

【参考文献】

Centers for Disease Control and Prevention (2018) Prevalence of Autism Spectrum Disorder Among Children Aged 8 Years ― Autism and Developmental Disabilities Monitoring Network, 11 Sites, United States, 2014 ,https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/67/ss/ss6706a1.htm

Ferhat Yaylaci・Suha Miral(2017)A Comparison of DSM-IV-TR and DSM-5 Diagnostic Classifications in the Clinical Diagnosis of Autistic Spectrum Disorder : Journal of Autism and Developmental Disorders ; 47:101—109

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000211217.html

WHO 2018ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics : https://icd.who.int/browse11/l-m/en