こんにちは!
ころん板橋校です。
最近の支援方法研究はすごく近代化してきたなと感じます👀✨
例えば、Tony Gentry・Richard Kriner・Adam Sima・Jennifer McDonough・Paul Wehman (2015) は「Apple iPod Touch 4th Generation」を使って自閉症労働者の個人的なサポート(周りの人からの介助)を減らす。という研究を行いました。
作業療法士(OT)によってApple iPod Touchの使用を訓練することで、自閉症である彼らの職務遂行および職務における能力構築に必要であった周囲からの支援を、大幅に減らせるかどうかということを目的にしています。
個人的に思う、この研究の凄いところは研究の参加者全員が仕事中に支援技術としてiPod Touchを使用するように訓練を受けるのですが、訓練は2つの時点で無作為化がされて行われており、無作為化することで科学的に質の高い研究デザインにしているところです。
具体的には無作為化で分けた後、1つのグループは仕事を始めると同時に、その装置とその使用法についての訓練を受けます。もう一方のグループは12週間働いた後に、その装置とその使用法についての訓練を受けます。
55人の参加者がこの研究に参加し、研究終了までに 49人残りました。
参加者は全員、競争力のある雇用環境で働いていました。雇用主が支払う1時間当たり7ドルから11ドルの賃金で働いており、毎週の時間は8時間から35時間の範囲でした。給付を支払ったり、給与を支払ったりする仕事をしていた人は研究に参加はしていません。
カストディアン(custodians、金融関係?)、ストッカー(stockers、これは何かわかりませんでした)、食料品の袋つめ、洗車の係員、そしてフードサービス労働者など、ほとんどの仕事はサービス業で、少数の参加者が事務職を務めました。
男性と女性の比率は42:8で、参加者の年齢は18歳から60歳まででと広範囲ですが、ほとんどが20代でした(全参加者の平均年齢は24歳) 。
研究の結果は、支援技術としてiPod Touchの使用法をトレーニングすることで、仕事上の機能的パフォーマンスを低下させることなく、自閉症を有する作業員への仕事指導支援を大幅に減らすことができました。
この研究では、就職直後にデバイスを提供したグループと、12週間後にデバイスを提供したグループの両方ともで、職業援助としてiPod Touchを使用した参加者への仕事指導支援の時間が短縮されました。
このような、私が子どもの頃には思いもよらなかったような支援方法の研究も実施されています。
自閉症のお子さんがあまり得意ではないことは確かにあるかもしれませんが、私たちの生きている現代は、これからもどんどんと便利になって行くでしょう。
時代の流れの中で、使えるものは使って支援をするということを意識しようと思わせてくれた論文でした。
今後とも、キッズアカデミーころん板橋校をどうぞよろしくお願いいたします。
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【参考文献】
Tony Gentry・Richard Kriner・Adam Sima・Jennifer McDonough・Paul Wehman (2015) Reducing the Need for Personal Supports Among Workers with Autism Using an iPod Touch as an Assistive Technology- Delayed Randomized Control Trial. Journal of Autism and Developmental Disorders 45 : 669-684