こんにちは!
ころん板橋校のなるみ先生です。
今回も杉山尚子・島宗理・佐藤方哉・RichardW.Malott・MariaE.Malott(1998)が書いた「行動分析入門」という本を読んで感じたことを書きたいと思います。
「第3章 嫌子消失による強化」の中に書かれていた「社会的悪循環」についてです。
日常生活でも起こる可能性があり、気づかぬうちにそんな状況に陥ってしまいそうだなと思いました。
以下のような記載があります。
a)問題行動が何度も起こることがある
b)誰かが与える注目などの好子が
c)その行動を強化するからだ。
d)そして、問題行動が一瞬おさまることが
e)注目などの好子を与える行動を強化する
例えば、
ある保育園の絵本の時間、Aくんが騒いています。
保育園の先生が「静かにしなさいっっ!!」と大きな声で叱ります。
すると、Aくんは静かになりました。
しかし、その後またAくんは絵本の時間に騒ぎました。
先生はまた大きな声で「いいかげんにしなさいっ!静かにしなさい!」と叱りました。
しかし、その後もまた騒ぎ、その行動は減っていきません。
お子さんの視点から考えると、
騒いだ時に与えられる先生からの注目が好子となって行動が何度も起こる。好子出現による強化です。
(実はお子さんにとって、先生から怒られることは嫌なことではなく注目してもらえることであると感じている場合)
先生の視点から考えると、
騒ぐ子どもが少しの時間だけでも騒がなくなることで、嫌な状況が取り除かれているので、その怒鳴るという行動を何度もやってしまう。嫌子消失による強化です。
先生にしてみれば、子どもたちが静かにしてくれるように良かれと思ってやっている行動ですが、逆効果になってしまっているのです。
こういった状況を防ぐためには、お子さんの行動がどういった理由で怒っているのか把握した上で対応しないといけないな、と改めて感じました。
また、一度その対応が上手くいっても、そのあと上手くいかないときには、
もしかして子どもにとって違う意味を持っているのでは?
と、冷静に状況を見つめ直してみることが大事ではないでしょうか。
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【参考文献】
杉山尚子・島宗理・佐藤方哉・RichardW.Malott・MariaE.Malott(1998)「行動分析入門」 産業図書